釣り竿を持って、鯛を抱えながら穏やかな笑みを浮かべている福耳の神様であるのが、日本の神様として有名な七福神の1人である「えびす様」。

この「えびす様」を祀っている所は全国にあるのですが、その中でも特に関西圏が有名です。

えびす様を祀っている神社の総本社”西宮神社”

えびす様を「えべっさん」とも呼び、兵庫県西宮市ではえびす神社の総本社である西宮神社があります。えべっさんという神様は商売繁盛の神様として知られ、初詣や新しい年号になると、自身の商売が上手くいくように願うという人々でえびす神社は溢れかえっています。

テレビ等のニュースで「1番福を目指して開門と同時に大勢の人が猛ダッシュする」という福男選びの映像を見たことはないでしょうか。正式名称を「十日戎開門神事福男選び」と言い、あれが行われているのは実は西宮神社です。開催されているのは「十日戎」と呼ばれる行事の時であり、2019年でも某テレビ番組の企画もあって、世間を騒がせていたのは記憶に新しいところです。

十日戎は1月10日が”本えびす”

十日戎とは、その名の通りで毎年1月10日前後に行われています。実は1日だけではなく、3日間あって、1月10日が「本えびす」と呼ばれる中軸となる日であり、その前日が「宵えびす」となっていて、翌日が「残り福」という位置付けになっています。
つまり、十日戎が行われている3日間は全て縁起の良い日であるので、どの日に参拝してもかまいません。
ただ、軸となる本えびすが10日であることや、福男選びも10日の早朝に行われていることから、やはり10日に参拝されるという人が1番多いです。

酉の市の関西版!?

神社や近隣では色々なお店が立ち並び、境内では縁起物である熊手などが沢山売られていたりして、非常に多くの人で賑わっています。その人数は初詣以上だと言われており、3日間で訪れるのは100万人以上だと言われています。関西で商売をされている方で、来たことがないという人はおそらくいないのではないかというくらいです。東京都でも毎年11月に行われている酉の市が商売繁盛を祈願する祭り事として知られていますが、あれの関西バージョンだと考えてもらってもいいかもしれません。

総本社以外にも 大阪の”今宮神社”

関西圏の方は、やっぱり総本社である西宮神社へ集まる人が多いのですが、例えば大阪市にも「今宮神社」があります。実は西宮神社もそれほど大きな神社というわけではありませんが、今宮神社はもっと小規模となっています。ただし、大阪在住の方は地下鉄やJR、タクシーや車などで直ぐアクセスが出来ますので、仕事が終わってから気軽に寄ってみるという方は多いです。

今宮神社ならではの習慣が

今宮神社には西宮神社には無い習慣があるのですが、それが大きな銅鑼を叩くというものです。えべっさんは大きな福耳を持ちながら、実は“耳が遠い”とも言われているので、商売繁盛を祈願した後で銅鑼を叩いて大きな音を鳴らし、えべっさんに気付いてもらうためのものです。このあたりは実に大阪らしいユニークな習慣と言えます。

関西では昔から「商い・商売」に密着した地域性があり、商売繁盛を祈願していた

もともと関西では、昔から「商い・商売」に密着したような地域性があり、商売繁盛を祈願するというのは、庶民・民友にとって、とても大切なアクションの1つなのです。もちろん、えべっさんへの挨拶や祈願というのは通年を通して、いつ行ってもらっても構いません。しかし、年が終わり、新しい年号が幕開けとなった1月において、関西地域で商売繁盛を願う多くの人が楽しみに、そして大事に崇高に扱っているのが十日戎ですから、関西在住の方や、近くを訪問される予定がある方は、是非商売繁盛の名物祭りである“十日戎”を訪れてみられることをおすすめします。えびす神社は各地にもありますが、大阪の今宮神社や京都の京都ゑびす神社、そして西宮神社に参拝されるべきでしょう。

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