住所 京都市下京区綾小路通烏丸西入童侍者町160 
TEL 075-351-3468
田中長奈良漬店さんのホームページ
「奈良漬」と聞いて、「私、だめなんです〜」って人多いですよね〜。実は私もその手の人間でして、「美味しい」と言って食べたことがないんです。それが!食べず嫌い王もビックリ!誰もが「旨い!」と唸る「奈良漬」が京都にあったんです!京都は烏丸綾小路、ビルとビルの狭間、ビジネス街のど真ん中に、蛤御門で焼かれて以来130年以上もの歴史を積み重ねた威厳に満ちた古い町家があります。そう、この町家こそが「田中長奈良漬」!私が絶賛感激した「京都の奈良漬」のお店なんです。

寛政元年(1789年)創業の「田中長奈良漬」はもともと味醂、焼酎の醸造屋で、初代・和泉屋長兵衞氏が自家特製の味醂の樽を使って野菜を漬け込んだところ、酒粕と塩で漬け込んだ辛い目の「奈良漬」よりもまろやかな旨味とコクのある、上品な甘味の「奈良漬け」ができたのです。これを「京の奈良漬」=「都錦味淋漬」と命名、以来「田中長奈良漬」は約210年、京都の伝統野菜の味淋漬けを作り続けているのです。

特製の味醂粕に拘りの京野菜「桂ウリ、加茂ナス」をはじめ、小スイカ、キュウリそしてショウガ等を2年という歳月、何回もの漬け替えを経て、丹念に丹念に漬けあげた「都錦味淋漬」はホント徒者ではありません。私はこの取材をきっかけに初めて「田中長奈良漬」にお邪魔させてもらい、初めて「奈良漬って美味しい!」と感じることができたんです。
歴史の刻まれた町屋の中に足を踏み込むと、ぷ〜んと「粕」のイイ香りが漂ってきます。現在6代目である田中長兵衞氏が丁重に私を出迎えてくれたんですが、とにかく6代目は「お漬け物」の歴史にかなり詳しいお方。例えば平安時代の宮中の儀式や年中行事が書き記された「延喜式」の話から始まり、奈良は「春日(=粕が)あるにより、良い都―と称されるほどの銘酒処であり、奈良漬の産地でもあった…等等色んな話を教えていただきました。

そんな6代目の一番は「加茂なす」で、ちなみに私も「加茂なす」が一番なんです。粕がきいてて柔らかく、まったりとした上品な甘い味わいがなんとも美味しいんです。また野菜の回りについた味醂粕がこれまた美味で、これだけで、お酒がどんどん進みます。

ま〜とにかく「田中長奈良漬」は別格のお漬け物屋で、普段の食卓にはでてこない高級なお漬け物を作っているお店です。贈答品やお祝い、お土産用ですね。でもホント、それだけの価値は十分にあって、いただいたら感動モノですよ。「田中長奈良漬」の「都錦味淋漬」はまさに天下一品です。
[京都のお漬けもんやさんへ戻る]