インタビューを、映像でご覧になれます。映像をご覧になるには、FLASHプレーヤー6が必要です。

「継承」

「面白いんですけどね、長い間継続しているお店ってありますよね〜、意外と(各代)違うキャラクターがでてくるんですね〜―と笑いながら10代目。

「商売人が2代続くと技術が絶える、…でも職人が2代続くと店がつぶれる」、10代目の祖父にあたる8代目の時代は、団扇が生活必需品であったことから商売人に近かったと…、しかし反面教師、父親にあたる9代目は「もっと良い物作りを」と職人かたぎ的であった…。

「次の世代のモノはそれを反面教師と…自分に与えられた条件があって、引き継いだ時に何を持っているのか、自分が何を武器にできるのかが自ずとわかってくるんです」。310年という長い間「阿以波」が今に受け継がれてきた1つの理由がわかりました。

そして「この間ね〜、これ直してもらえへんやろか〜って、団扇を持ってきたお客さんがいましてね。それはモノが手に入りにくかった戦後に、うちが作ったモンで、金箔の代わりに銀箔がはってあって、それを見て、長い間かわいがってもらったんやな〜って思いました。」、「そ〜やってかわいがってもらってると、嬉しい気がしますよね。」と10代目。

祖父が作った団扇を自分が修復する…、「阿以波」を継承した人間にとって最も嬉しい瞬間ではないでしょうか。

◆京うちわ阿以波

京都市中京区柳馬場六角下ル
075-221-1460

柳馬場・錦市場を一筋上がったところに京団扇「阿以波」はあります。創業約310年、今も尚変わらず職人達の分業により1つ1つ丁寧に手作りされ続けている京団扇の老舗です。「たかが団扇、されど団扇」…すぐポイ捨てされるような大量機械生産の団扇が多い中、「阿以波」の京団扇は完成するまでに16もの工程を費やし、「されど団扇」を作り続けているのです。
全ての工程に職人達の熟練された技が織り込まれた京団扇、その地道な手作業によって作り出される「阿以波」の京団扇はまさに芸術品と称されています。
パチンッパチンッ…薄い紙に1本1本細竹を糊付けする「仮張り」という作業。120本もの細竹を等間隔くるうことなく1本1本糊付けていく、長年の感だけがたよりだ。念ベラで団扇骨の際に筋をつける「念付け」、そして団扇の周囲に薄紙を張る「ヘリ取り」、どの作業も地道な作業、1つ1つ丁寧に手作りされていく。「こんなんやってるところ、うちだけやと思います。」と10代目、「今って表面的技術はあっても基本の
技術がなくなってきているんですよ」と、いかに無駄をはぶき合理的にモノを作っていくか、そんな今の物作りに対しての考え方に10代目は眉をひそめる。「ここに来られるお客さんは他にないものを求めてきはるんです。もっとグレードの高いモノをとおっしゃるんです。それに向かって一生懸命やってるんです。」と。その仕上がりはまさに芸術的作品、地道な職人達の手作業で、見事な京団扇が完成するのです。