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樂焼作者が求める「究極の赤樂」とは…

「この赤い色がでたらな〜ってみんなそう思うんです〜。」と…、「和楽」7代目川嵜氏は窯から取り出した真っ赤に焼けた赤樂の茶碗を見ながらそう言いました。

800〜850度の窯の中から出てきた赤樂は、まるでマグマのような、噴火して流れ出したあの赤々と光る溶岩のような、そんな大地の激しさを感じる赤をしているのです。

「こんな赤がだせたらな〜…。
ほんでこのチン・チンって鳴る音、ええでしょ〜」と、「これはね〜、冷めてしもて面が割れてる音なんです〜」

…思わずその音色に聞き入ってしまいました。普通の焼物と違い樂焼は窯から直ぐ取り出すので、この赤々とした美しさと、風鈴のような美しい音色を楽しむことができるのです。そして「なんでもそうやけどお茶碗も三位一体で、造るモンと茶碗の品位、それと窯の味やね、これが揃わなエエモンができひんのです。それに樂焼なんか使こてだんだんよ〜なっていくんですわ。使い方によって、使う人によってね〜、良くなっていくんです」と。

川嵜氏の求める究極の赤樂とは、窯から取り出した時のあの大地の激しい赤と、そして使い手に譲られてから作り出される、使い手の愛おしむ赤、そんな赤の樂を川嵜氏は求め、生涯を通して創り続けているのです。

◆和楽

京都市東山区祇園下河原
075-561-2618

京都は東山、祇園下河原にある樂焼窯元の「和楽」。文政の頃より約200年、千家は元より茶人達の為に焼造してきた、京都でも7軒と数少ない樂焼の窯元です。そもそも樂焼とは「一楽、二萩」と言われるように茶道具に最も適した焼物であり、茶の湯のための茶碗を焼造することで創られた、日本独特の焼物なのです。
「和楽」の樂焼は、黒楽、赤楽の茶碗の他、菓子鉢や尺立て、茶釜の蓋置き等の茶道具も揃っており、また毎年宮中の唄会で詠まれるお題をモチーフにした、絵付けの樂茶碗もあります。様々な樂焼を焼造する「和楽」、多くの茶人達から愛され続けています。

どんな職人でも「ホンマモン」は、拘った上で道具から己で創るモノだと私は思います。樂焼作者「和楽」7代目川嵜氏も私が思う「ホンマモン」で、自分で創った道具を使い、樂焼を創っているのです。「おかしなもんでね〜、道具もでけへんと何もできませんねん。でもそこそこできるようになると、なんや〜仕事もできるようになりますのや〜」と。中でも樂焼の命である「焼き」、その道具である「窯」も川嵜氏自身の手で創られているのです。
赤樂の窯に関しては3年に1度作り直すのですが、「こんなん作れる窯屋さん、どこにもいいひんですわ〜」と、「今でもこんな窯使こてんのん、京都でもウチ入れて3軒ほどですわ〜」…。やはり電気式の窯と赤松をくべて焼く200年の窯とでは全く出来上がりが違うのです。そして最後に川嵜氏、「昔と変わらず、続けることが難しい」と、「やっぱり黒樂、赤樂に関しては、私はですよ、昔っからの材料を使こてやりたいな〜と思てます。」と…。