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「京都の蕎麦とはなんぞや」と私的に考えたところ、だし文化にはぐくまれた京都の極上のだし!ってのが一番なんだとは思いますが、京都の蕎麦は京菓子屋からはじまったことも大きなポイントではないでしょうか。京都の菓子屋には全国から選りすぐりの良品質の蕎麦粉が集まってくる上に、菓子職人の巧みな技も兼ね備わっているので、どこの蕎麦屋よりも美しく上品な蕎麦ができたんじゃないかと私は思います。
創業五百三十余年「本家 尾張屋」は京都を代表する老舗中の老舗の蕎麦専門店です。1465年(応仁の乱の前年)「尾張屋」は菓子司として始まったのですが、その蕎麦の旨さが京中に広がり、寺院や公家の方から蕎麦を打つようにと頼まれ、以来京都で名高い蕎麦処となったのです。
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本願寺からよく注文を受けていたのが、上品な彩りの「五色そば」で、よく大きな重箱を持って「尾張屋」まで買いに来られたそうです。また江戸に入ってからは御用蕎麦司(宮内庁御用達)をつとめるなど、「尾張屋」の蕎麦=京都の蕎麦は「寺院や公家好みの蕎麦」なのです。
こちらの名物「宝来そば」(1800円)は彩り鮮やかな見た目にも美しい蕎麦。「象彦」作漆器の五段のお重には二八の真っ白な蕎麦が盛られ、横にはワサビ、のり、ネギ、そして胡麻、紅葉おろしに錦糸玉子、椎茸エビのあられ揚げといった、彩りも美しい多くの薬味が添えてあります。そして瀬戸物の器には「うるめ、鯖、めじか」の宗田節に利尻昆布といったコクのあるだしがそそがれており、そのままグビグビと飲んでしまいたい甘めの京だしです。まさに京のだし文化にはぐくまれた、見た目も楽しい「京都の蕎麦」なのです。
また築90年と年季の入った趣のある店内には、風情ある茶室や気軽に蕎麦をいただけるイス席、数寄屋造りの2階ではお座敷から民芸茶屋風の席まであり、様々な空間で蕎麦を楽しめることができます。またどの部屋も風情を重んじ、お軸、花、飾りは季節のモノが繊細に飾られています。目も舌も心も全て満足できるのが京都流なのです。
お帰りの際は是非蕎麦菓子を買って帰ってください。蕎麦ももちろんですが、「蕎麦ぼうる」や「蕎麦板」「蕎麦餅」等の蕎麦菓子がかなり美味しいのです!なかでも「蕎麦板」!手打ち蕎麦の技法で薄くのばした生地を、一文字釜で一枚一枚丹念に手焼きしたものなんですが、蕎麦の香りがほのかにし、やさしい甘さのする素朴な焼き菓子です。
私はこの「蕎麦板」が気に入ってしまい、「京都和菓子ランキング」でも上位に位置づけしました。ホントに美味しい!さすが寺院や公家の方が頼みにくるだけあります。よ!御用蕎麦司!
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